庭の小さな生き物たち付録 石碑めぐり
     S6 南湖の左富士之碑
石碑めぐりNo.6南湖左富士之碑の写真
神奈川県茅ヶ崎市浜之郷
(国道1号線脇)
   何の碑かお分かりの方は、日本の版画芸術に詳しい方でしょう。脇にある説明版を見ると、
   江戸時代の浮世絵師、歌川広重(安藤広重)が描いた版画の連作、「東海道五十三次」の内の
   「南湖の松原左富士」の元絵のスケッチを描いた、大よその場所をを紹介している石碑で
   あることが分かります。
   でも、今の国道一号は、両側にビルが立ち並び、この辺りの国道を歩いても富士山を見られる
   場所は限られています。この碑の手前の橋の上、そして少し下った(大阪方面へ向かった)、
   相模川を渡る橋(馬入橋)の付近ぐらいでしょう。ただ、馬入橋では若干右側に見えるはずです。
   なお、南湖〔なんご)とは昔の南湖村の事です。橋の反対側が現在の茅ヶ崎市南湖になる
   のですが、そちらには立てる場所が見つからなかったのでしょう。
   碑は平成五年(1993)三月に建てられたものです。

左富士=道路を歩いている時、、富士山が正面より左に見える事。
  茅ヶ崎市内では、昔の東海道も現在の国道1号と同じルートを通っていました。
  この碑は、その1号線が千ノ川 (相模川の支流の小出川のさらに支流)を渡る、鳥井戸橋の
  西詰めに立てられています。
南湖左富士之碑と富士山の写真
↑富士を見ると
(道路の右方向が大阪方面)
碑が建てられた頃は富士山も良く見えた
のかも知れません。今では碑の位置からは
半分しか見ることができません。
 手前の道路が国道1号線で、この写真は
道路の反対側から焦点を伸ばして撮った
ものです。
青い欄干が鳥井戸橋。碑は北東向きで、
大部分の時間帯が逆光になります。
向こう側の橋はここから分岐して、海岸を
走る134号へ向かう道路の橋(石原橋)です。
 この橋の一つ上流側の橋は富士見橋と
と言い、やはり富士山が良く見えます。
この川がこの辺りで、ちょうど富士山へ
向かって流れている訳です
                                 
↑
  南湖の左富士の由来
 浮世絵師安藤広重は天保三年(一八三二年)に東海道を旅し、
後続々と東海道五十三次の風景版画を発表した。その中の一枚に
南湖の松原左富士がある。東海道の鳥井戸橋を渡って、
下町屋の家並の見える場所の街道風景を写し、絵の左には
富士山を描いている。東海道のうち左手に富士山を見る
場所はここと吉原(静岡県)の二か所が有名。昔から
茅ヶ崎名所の一つとして南湖の左富士が巷間に知られて
いる。

南湖左富士の由来説明版の写真8oe
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↑説明板  
    絵がかすれてよく見えませんが、
    五十三次名所図会 藤沢 南湖の松原左り不二    
    でネット検索すると、見ることができます。    
碑のくからの富士山の写真付近
↑隣の橋からの富士山
    この川、千ノ川は、向こうに見える高架道路(新湘南バイパス)の手前で、小出川と合流して
    終わりです。高架の向こうに高層ビルが建ったら、この景色も終わりです。
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